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ニッポニアニッポン
ニッポニアニッポン

『ニッポニアニッポン』(新潮社)

   17歳の鴇谷(とうや)春生は、自らの名に「鴇(とき)」の文字があることからトキ(学名:ニッポニア・ニッポン)へのシンパシーを感じている引きこもり少年。日本産のトキの絶滅が決定的であるにもかかわらず、中国産のトキによる保護増殖計画に嬉々とする「欺瞞」に違和感を抱いていた春生は、故郷を追われたことをきっかけに「トキの解放」を夢想しはじめる。その選択肢は「飼育、解放、密殺」のいずれか。 「俺を一人にしたことを、この国の連中すべてに後悔させてやる」と決意する春生は、「ニッポニア・ニッポン問題の最終解決」という自らが描いたシナリオを手に、スタンガン、手錠、催涙スプレーで武装した春生は、やがて佐渡トキ保護センターを目指す……。

日本という「国家」の抱える矛盾をあぶりだし、研ぎ澄まされた知的企みと白熱する物語のスリルに充ちた画期的長篇。

 収録作品:「インディヴィジュアル・プロジェクション」「ニッポニアニッポン」

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